生産性を示す指標は、いくつかありますが、人の生産性を示す指標は、付加価値総額/従業員数で示す指標が一般的です。

建設コンサルタントの付加価値額(売上-外部流出費用)のデータがありませんので、ここでは、建設白書より、一人当たりの売上高に着目して考察して行きます。

建設コンサルタント、職員一人当たりの売上額(h20)では、15,744千円/年です。
技術職員一人当たりの売上は、18,711千円/年になります。H10年の22,010千円をピークに暫減しています。
これでも他の技術サービス、設計業と比べるとかなり多い業界だと思われます。

建設コンサルタントの場合、技術職員一人当たりの売上は、H10年の22,010千円→H20年の18,711千円と約300万円暫減していますが、人工単価が低下したこと、競争激化により落札率も低下したことなど要因は考えられます。

生産性は、付加価値額になりますので、実際は売上から外注費などをマイナスしたものとなります。
恐らく、外注作業部分の内製化が進捗し、一人当たりの付加価値額は、売上ほど低下していないのではないでしょうか?

よって、社員は、売上が低下しても仕事は楽にならず、かえって作業量が増えた、労働条件が悪化したという結果になっているケースが多いと思われます。

会社の経営規模によって、技術職員一人当たりの売上高は全くことなります。
参考までに、h20年数値を挙げると


売上3億以下の建設コンサル:12,007千円/年
売上100億以上の建設コンサル:27,891千円/年

と倍以上違います。
これをもって、小規模コンサルは、仕事が楽だと思えるでしょうが、まず、1件当たりの業務規模が違います。同じ2000万円を売上げるとしても、2000万円の仕事1本の場合と、400万円の仕事5本やる場合では、作業量は後者の方が圧倒的に多くなります。
また外注比率は小規模コンサルの方が圧倒的に低く、一人ですべてをやらなければいけません。
よって、小規模コンサルも大きなコンサルと比べて仕事は楽とはいえません。

建設コンサルタントの現状(2010年)