敗戦処理とは発注者とトラブルになった業務や、担当者が投げ出してしまった業務等の後始末をすることです。会社によって呼び方は違うかもしれません。
私は、敗戦処理はかなりやった方ですが、元の担当者に感謝されたことはあまりありません。むしろ恨まれまたことが多かったです。
その時の経験を話そうと思います。
(こちらの記事もどうぞ「権力闘争の恐ろしさを見た経験その1」)
まず、敗戦処理というと、私も積極的に応じたわけでなく、「○○君の業務が顧客と揉めて大変だ、なんとかしてくれ」と上司から依頼されることが始まりです。依頼といっても業務命令で強制ですが。
まず、初めに、担当者から業務の状況を聞きますが、大体が「いかにひどい発注担当者(調査職員)か」というような話を聞かされます。
そして、業務打ち合わせに同行し、発注側の担当者の話を聞いてみますが、かなり怒っているケースが多いです。
でも話を聞いてみると、「そりゃ怒るはな~」というケースも多いです。
条件整理もできていない、期限を守らない、発注担当者の要望や必要な検討をやっていない、確認を取らず進めるなど、ひどいものです。
発注者から「私がそんな無理なお願いしてますか?」、「なんで言ったことをやってくれないのか?」と嘆かれることもあります。
病的なパワハラ発注担当者もいることはいますが、滅多にいません。
大体に、トラブルを起こす人はいつも決まっていますが、改善されないですね。
そのような業務の敗戦処理をする場合、最初からやり直すのが一番です。
客先の要望をよく聞いて、特記や共通仕様にも合致させ、あいまいなものをきっちり根拠のある業務に仕上げる作業を行います。
そうして、最終的には、客先評価もよくなり収まる場合は多いです。
問題は、その後なのですが、こちらとしては敗戦処理、トラブル解決して感謝されて当然のように思いますが、トラブルを起こした元の担当者から全然、感謝されません。むしろ恨まれます。
社内評価も下がって、プライドが傷ついて、納得いかないようです。「あいつが手伝わなくても俺はできた」などと堂々とのたまいます。
敗戦処理を担当した人が会社からは評価されるかというと、ほとんどされません。
損失を防いだ面はありますが、経営数値上は、敗戦処理をしても売上や利益が増えるわけではないからです。逆に、敗戦処理の費用がかかることで文句を言われたこともあります。
そもそも上層部の管理職会議等で敗戦処理を行った人の名前があまり出て来ません。私に無理やり敗戦処理させる命令をした上司が評価されます。
本来、その業務には私は何の関係もなかったのですが、業務の管理技術者、照査技術者どこいった~(怒)。
今はつぶれてなくなった会社の思い出です。
こちらの記事もどうぞ「難しい仕事から逃げてしまう人ばかりの会社にいました。」