公共調達制度
社会構造は法制度によって作られるという話

英国のパートナーリングの概念を作った教授にインタビューするために、レディング大学というところを訪問したときのことです。

 当時の日本の国交省が「品確法を導入したのに低入札が減らないことを問題視」していることについて、教授が「行政が入札価格をコントロールできると思っているのか?」と不思議そうに質問を返してきました。

 そして考え直して「社会構造は法制度によって作られる」、「特に公共事業は、発注者は、ほぼ100%行政なので、長期的には産業を100%コントロールできる」と考えを述べました。
 この時の「社会構造は、法制度によって作られる」という言葉は、大変印象に残りました。

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公共調達制度
日本と欧米の法制度の成り立ちの根本的な違い

公共調達制度専門の研究員時代、欧米各地の行政機関などにヒヤリングして回っていたある時、欧米の行政関係者から「どうしてあなた達は、制度の細かいところを、そんなに知りたがるのか?」、「自分達で良いやり方を、それぞれ個別ケースで、考えればよいのでは?」と聞かれたことがあります。

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公共調達制度
欧米の公共事業では、革新的調達(デザインビルドやPPP)は実はレアケース

日本の建設関係者は欧米で革新的調達方式が普及していると考えがちですが、実際にはアメリカ、フランス、ドイツなどでは伝統的な調達方式が主流です。デザインビルドなどの新しい方式の適用は少数で、大部分のインフラ事業は従来の方法に依存しています。

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公共調達制度
公共調達制度コラムのはじめに

平成18~19年頃、国際建設技術協会の研究所に所属して欧米の建設マネジメントと公共調達制度を徹底研究。その後独立し、所属部署も廃部に。二年間の専門研究で得た知識を保持し記録するため、コラムを書いて忘備録としたいと思います。

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