キャリア開発で、目標や計画を立てても実際に行動しなければ、何も変わりません。
実際に行動するということは、行動ための時間確保やお金が必要になります。
これを自己投資と言います。
(こちらの記事も参考にしてください。10年後を見据えようキャリアプランの立て方)
この中で、時間は、本来、誰でも一日24時間平等にありますが、諸事情により自由な時間には個人差がありますし、お金は、当然ですが大きな個人差があります。
キャリア開発を確実に進めていくために、こうした制約のあるお金と時間をどう使うかという点が重要になります。
そのため、時間やお金を使う上で、費用と投資の概念を理解して、常に注意して生活する必要があります。
この違いが理解できると、何事にも判断力がついてきます。
「費用的消費」というのは、使って無くなれば何も残らないものを言います。
一方、投資的なお金や時間の使い方というのは、自分の資産になる使い方のことを言います。
事例で示すと
費用的消費とは、ブランドのスーツや高級車を買っても、買った時点で、資産ですが、数年経てば資産価値は、あまりありません。
これらは、費用的消費と言えます。
遊興や見栄のために使うお金は、大体は費用的消費です。
例えば、同僚や友人と飲みに行って愚痴と噂話だけして、1万円使えば、その場は楽しんで後はおしまいで、何も残りません。
これは、費用的消費です。
同じ、飲みに行くのでも、尊敬できる人、目標とする人などと飲みに行って、その人の考え方や、人生感、あるいは仕事のやり方等を聞けたり、アドバイスされたりして、成長のヒントを得られるなら、投資的と言えます。
※その人から、何かを吸収する気持ちがないとダメですが。
また、テレビやスマホやゲームやらで、だらだら過ごす時間ですが、お金がかかっていないので損はしていないと思うでしょう。しかし、実際は、時間を投資的に使わなかった場合と比べて、将来の機会損失が生じているのです。
せっかく、誰にでも平等にある一日24時間を、無駄に使っていることになります。
次に自主勉強ですが、
「1万円で本を買って勉強しました。」というのは、現金1万円は消え、本という資産が残りますが、古本屋に売っても価値は10分の一です。しかし、勉強で身につけたことは、将来何倍にもなって帰ってくるかもしれません。
技術士取得のために50万円かけて、参考書を買ったり、通信講座を受けたとします。
技術士に合格できれば、その後は資格手当だけで1~2年で元が取れます。
さらに、その後の総年収に対する影響を考えれば、若手ならその後の生涯年収が1億くらい違ってもおかしくありません。また、技術士を取ったことによる満足感や、周りの評価、生活の質も向上し、金額では計算できない利益も膨大にあります。
つまり、投資効果は数百倍になります。
自主勉強などの自己投資は、投資金額に対するリターン(投資効果)が最も大きな投資と言えるでしょう。
では、仕事時間はどうでしょう? 費用的、投資的どちらでしょうか?
会社員であれば、一日の多くの時間が仕事をしています。
建設コンサルタントの技術者における例で示すと
A君は、業務において、発注者(社会)のための最良な提案、成果品質、工期と、企業の利益を両立させて、常に最良のやり方を自分の頭で必死に考えて業務をしています。
みんなが逃げる難しい業務、やったことのない業務にも積極的にチャレンジして、新たに出会った技術分野や経験を完璧に身に着けて、失敗を教訓にして、二度目は完璧にやれるように常に挑戦を繰り返しています。そうやって、日々を過ごしています。B君は、一見、さわやかで礼儀正しく、上司、先輩のいうことはだけはよく聞きますが、裏では、しぶしぶ、だらだら、いやいや、不満だらけで、上司の言われるままに、言われたことだけしかやらず、大変そうな仕事から逃げ廻って暮らしています。
さて、どちらがより、投資的な時間の使い方を過ごしていると言えるでしょうか?
そうやって、5年、10年と過ごせば、どのくらいの実力差がつくのか、誰でも想像がつくと思います。
同じ、時間やお金を使うのでも、費用的な使い方と、投資的な使い方を意識する必要があります。
誰でも一日は、24時間平等にあります。
時間やお金の使い方を見直し、できるだけ投資的な活動の比率を増やしていけばよいでしょう。
若くして成功するような起業家の場合は、仕事以外も、食生活や運動等、健康に気を付け、また、外部の人間との会食、交流を大切にし、また、寝る時でさえ、就寝環境にこだわるそうです。
「タイムイズマネー」、自分でリスクを負った世界で生きて、成功している人は、こうなります。
ここまでやるかどうか、自己判断に任せます。
1つ言えることは、「自分自身が前向きに生きている。成長が実感できる。」ということは、生きる上での大きな喜びになります。
本人が大きな苦痛でない範囲、楽しめる範囲で、ストイックになるとよいでしょう。
最後に、とにかく、自己投資は、費用対効果が最も高いので、投資的な、お金や時間は、あまりケチらない方がよいでしょう。
ただし、気を付けることは、投資には必ずリスクがあります。
世の中には、怪しい自己啓発セミナーなども多いのです。
お金と時間を無駄にしないように、注意が必要です。
(こちらの記事もどうぞ。キャリア目標を設定する上で注意すべきこと)
建設コンサルタントのキャリア開発
- キャリア開発とは価値を生み出す能力を身につけること
- 他人に頼らず自分で考えて行動することの重要性
- 建設コンサルタント業界は自主学習を軽視しすぎ
- キャリア目標を持つことの重要性
- 周りの人間の価値観に流されないこと
- キャリア開発はなぜ挫折しやすいのか
- キャリア目標は表に出さない方がよい
- 時間的投資の重要性(塵も積もれば山となる)
- 「努力とは苦しむことと同じではない」ということ
- キャリアプランの立て方 10年後を見据えよう
- 建設コンサルタントの理想的な 最初のキャリアプランの例
- キャリア目標を設定する上で注意すべきこと
- 費用と投資の違い 概念について理解しよう