建設コンサルタント需要の供給能力の推移を考える上で、今後業界の従事者数がどのように推移するのか考察してみます。
(こちらの記事も参考にどうぞ。「これからの建設コンサルタントは60代社員をどう活用するかで決まる」(弊社別サイトへ移ります)
建設コンサルタントのほとんどの企業では、年齢構成が40代、50代が多く若年者が少ない逆ピラミッド型になっていると思われます。
これは、日本の産業全体に言える傾向ですが、建設コンサル業界においても、この不況の10年間に新規採用を抑制し、また、学生も建設業界を敬遠するようになりました。さらに、30代以下の多くの人材が、他産業に転職・流出したため20代と30代が極端に少ない状況になっています。
建設コンサルタンツ厚生年金基金加入企業242社(h22.3.31時点)(中堅以上のコンサルの多くが入会している)のデータから見ると、平均年齢:44.2歳、(男子:45.7歳、女子:37.4歳)となっています。
地方コンサルタントでは、さらに高齢化が進んでいます。
長野県の例ですが、平成20年において既に平均年齢が50歳以上であり、30代以下は皆無の状況です。
地方コンサルも含めた建設コンサルタント業界全体で考えると平均年齢は、50歳前後と思われます。
つまり、新規採用が少なく、また若年層の定着の悪い状況が続くと、今後10年で、自然退職者だけでも、従事者数が半分に減少してしまうということです。
今後、長期的には建設コンサルタントの従事者数は激減し、供給能力も低下することによって需給状況は大幅に改善されていくと考えられます。
(追記)※当記事は2011年、建設不況時に書かれたものです。現在2020年、このコラム通りの需給状況になっています。
建設コンサルタント業界の高齢化および若年層の減少はより深刻な状況になりつつあります。
建設コンサルタント白書では、平成7年と平成30年の年代構成を比較すると
(50代)11%→25% の大幅増
(20代)36%→16%の大幅減
となっております。
出典:建設コンサルタント白書(令和2年度)より
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