組織には公式組織と非公式組織があると言われています。
公式組織というのは、会社であれば、役職、部署などにより区分するもので、人の役割分担や指示命令系統を表すものです。
非公式組織というのは、公式組織とは別に自然に生じてくるものです。
非公式組織が生まれる過程を説明すると、会社で働く上では、同僚とは協調関係(チームとして動く関係)、上下関係(指示命令系統)、成績や地位などの競争関係にもある訳です。つまり、いろいろ利害関係が生じてきます。
また、誰でも、気の合う人合わない人があり、自然に社内に特定のグループが形成されてきます。これが非公式組織で、例えば派閥とか飲み仲間とか遊び仲間といった社内の人のつながりが該当します。
建設コンサルタントにおいても例外ではありません。
非公式組織というのは、企業経営にとって正と負の側面があります。
例えば、正の側面では、経営目標と非公式組織の行動原理が一致すれば、全社的な経営改善活動につながっていくかもしれません。
しかし、残念ながら負の側面に作用することが多いようです。
なぜなら、非公式組織というのは、利害の一致する集団になりがちだからです。誰でも、お酒を飲んで愚痴や不平、噂話で盛り上がった経験はあると思います。
派閥というのは、そこから一歩進んで、積極的な行動が伴います。もし、100人の会社で、5人が徒党を組めば、組織への影響力はかなりのものになります。各個人では5人には太刀打ちできません。
派閥のメンバーの利益には相当理由に働くでしょうが、企業経営にとってはマイナスです。また、派閥外のメンバーには大きな不満が起こるでしょう。
人材業をやっていて感じるのは、建設コンサルタントのような人材の流動性が比較的高い業界において、本当の転職理由としては人間関係的なものが大きいと思います。
出る杭は打たれると言いますが、非公式組織によるバッシングなどにより人材喪失が起こす経営上の損失は膨大なものになる可能性があります。
建設コンサルタントの経営を考える上で、非公式組織をどのように制御していくのかというのは大きな課題になります。