建設コンサル選びで一番重要なのは、技術を身につけ、キャリアが積めるかということです。キャリアが身に付かないと、20代は無駄になるでしょう。
建設コンサルというのは、計画的な人材開発をやっている企業はほとんどないと思って下さい。資本力は脆弱で、人材育成の予算はそんなにありません。基本的にはOJTと自己啓発が中心になります。
ただし、会社の持っている社風や組織風土、仕事の質により、人材レベルというのは大きく異なります。見分けるポイントを示します。
(弊社他サイト記事、「建設コンサルタント業界の人材育成の実態」もお読みください)
①技術士の比率、特に若手(30代)の技術士比率
資格うんぬんではなく、建設コンサルタントとしての自己啓発の姿勢、向上心をみる良い指標になります。
②中途入社組でも出世した人がいるか、若手の管理職がいるか(実力主義)
比較的オープンな気風で、実力がある人が上にいるかかも重要なポイントです。
こうした会社は、人材レベルも上がります。
社内の競争が激しすぎてギスギスしてしまえば、それも問題のように思いますが、生え抜きのみで、年功序列の会社は、全体的に停滞した感じになります。
③若手の実力者の有無
30代前半くらいで、業務を完全に任されてやっている人、実力者がいるかどうか。
最近は、平均年齢が高齢化し、上の年代が詰まっているため、30代になっても業務の下働きをしているケースがあります。
入社10年もして、一人前を育成できない、若手に仕事と責任を任せない、こうした会社は避けましょう。
④仕事の顧客、平均業務規模、一人当たりの売上、受注の方法
この部分は、異論も多そうなので、私見として述べます。
キャリアという観点では、大きな仕事の方がよいです。なぜなら、大きな業務ほど検討や計画などの比率が増大し、技術コンサル的要素が増えるためです。
顧客としては、自治体より国の仕事の方が、平均的に業務規模も大きくなります。
受注の方法も、プロポーザルでの受注が多い会社の方がよりよいキャリアが積める可能性が高いです
(次の記事「建設コンサルタントの配属先(希望する専門には囚われない方がよい)」に続く)
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