収益性をみる指標はいくつかありますが、売上高に対する比率が理解しやすいと思います。
こちらの記事も参考にどうぞ。「過当競争の建設コンサルタント業界の現状」)
建設コンサルタント白書(h21)による建設コンサルタントの収益率は、以下のものとなっています。
売上高総利益率:h10年25.4%→h19年25.6%
売上高営業利益率:h10年3.7%→h19年3.4%
売上高経常利益率:h10年3.7%→h19年3.7%
売上高当期純利益率:h10年1.6%→h19年1.3%
驚くべきことに、h10年から収益率が下がっていません。
建設コンサルタント業界に人件費の削減や、単価の切り下げなどにより収益率を維持しているものと考えられます。
また、当期純利益率でみると、1%代の値です。赤字2年以上続くと、公共入札の参加資格を失うために、赤字決算はできないこともあり、今も昔もギリギリの経営であることがうかがえます。
ちなみに、h10年は建設コンサルタント業界の受注高がピークの年です。
その後、市場は縮小傾向であり、建設コンサルタント協会会員売上高は、h10年10,218億円 → h19年7,298億円と約30%減となっています。
収益率は一定で、売上高は30%減少したということは、利益額ベースでは、30%程度縮小したことになります。
建設コンサルタントの現状(2010年)
- 1.公共投資の状況と建設コンサルタント市場規模
- 2.建設コンサルタント業者の数
- 3.建設コンサルタントの従事者数
- 4.建設コンサルタントの生産性
- 5.建設コンサルタントの経営状況(収益性)
- 6.建設コンサルタントはつぶれにくい(安全性)
- 7.建設コンサルタントの顧客の内訳
- 8.建設コンサルタントの部門の内訳
- 9.建設コンサルタントの入札契約方式の変化
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