キャリア開発と聞いて、大企業に入って出世することだとイメージする人が多いと思います。
 ステータス、地位と収入みたいな感じで、出世欲や金銭欲むき出しな感じで嫌悪感を感じる人もいると思います。
 そこが、根本的な認識の誤りだと、まずは、認識してください。

(こちらの記事もどうぞ「キャリア開発はなぜ挫折しやすいのか」)

 ここで、生き方の二択の質問をしてみます。


 A: 潜在能力を100%発揮する   or   B: 潜在能力の半分も発揮できない
 A: やりたいことの選択肢が多い   or   B: 選択肢が少ない
 A: 誇りをもって仕事をしている   or   B: 生活のためだけに仕事をしている  
 A: 尊敬されて、感謝される     or   B: 馬鹿にされて、感謝もされない
 A: 経済的に困らない        or   B: 経済的に困る

 皆さん、どちらの生き方を選択するでしょうか?
 ほとんどの人は、「A」の生き方を選択すると思います。
 
 なぜなら、人間は、本質的に、自分自身が成長し、他人に喜ばれ感謝され、広い世界を見て自由に暮らせることに喜びを感じる生き物です。
 そうした生き方を追求することがキャリア開発なのです。
 そのような生き方を実現するためには、「顧客に価値を与える能力」を持つことが重要になります。
 
 その理由を説明すると
 
 世の中には、いろいろな職業があり、それぞれが仕事をして、お互いに価値を提供して成り立っています。
 価値に対する報酬(お金)を得て、そのお金を使って、また別の価値の提供を受けるという形で、経済が回っています。
 より多くの価値を与えることができれば、感謝も尊敬もされ、自由度も高く、報酬も多くなります。
 また、価値と言うのは、誰かが決めるのではなく、基本的には労働市場での需要と供給の関係で決まります。
 難易度の高い事長期に渡る訓練が必要なものほど、参入が難しく、供給は少なくなり価値が上がります。

 以上から「A」の生き方をするためには、「顧客に価値を与える能力」が必要であり、キャリア開発とは、「顧客や社会に大きな価値を与える能力」を身に着けることを目的として行うものであることが、ご理解いただけると思います。

 建設コンサルタントのビジネスモデルは、建設技術のプロとして、社会にとって最適な、計画や設計等を行い、顧客、社会に価値を与え、報酬を受け取るものです。
 よって、建設コンサルタントのキャリア開発とは、建設技術のプロとして、こうした価値を提供する能力を開発することです。
 
 キャリア開発の結果、会社での出世や、尊敬や高収入も達成できると思います。
 それは、顧客(社会)に価値を与えた結果の報酬なので、決して社会貢献と矛盾するものではありません。

また、キャリア開発と、大企業で出世等のステータスや収入を追い求めることは、同義ではありません。

大企業で出世しても高い給与を貰っていても、一歩外の世界に出てしまえば、通用しないというのであれば、それはキャリアではありません。
 そのような価値は、本当の価値ではありませんし、自由とも言えないでしょう。
 どこに行っても食べていける価値を身に着けることこそが、本当のキャリア開発だと思います。

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