2.プロポーザル方式の意義

 プロポーザル方式導入以前は、指名競争入札による価格競争が一般的でした。

 現在でも小規模業務、自治体の業務では指名競争入札が一般的です。基本的には最低価格の業者が落札する方式です。

 建設プロジェクトの総コストの内、調査、計画、設計などのコストは5~10%程度と言われています。また、社会資本は、完成後も半永久的に維持管理、更新を行わなければいけません。

 そうした、維持管理費も含めたライフサイクルコスト(LCC)からみれば、調査、計画、設計などのコストの比率は、ほんの数%でしょう。

 納税者である国民の立場からすれば、最も効率的な税の執行は、建設プロジェクトのライフサイクルコストを最小化することです。

 ちなみに、ライフサイクルコストは、ほとんどが、社会資本構造の仕様決定段階で確定してしまいます。つまり、調査、計画、設計段階で、決まってしまいます。

 

 仮に、ライフサイクルコストの5%を計画・設計費が占めるとして、計画・設計費をがんばって20%削減しても、ライフサイクルコストは1%しか削減できません。

 逆に、計画・設計費を削減した分、設計の品質は低下します。十分な検討が行われないままの設計では、ライフサイクルコストは逆に増大するでしょう。

 調査・計画・設計をするときに、価格競争のみで建設コンサルタント業者選定することは、結局は社会的な損失を増大する結果になってしまいます。

 ちなみに、米国においては、連邦調達規則や州法におけるQBS条項(Quality based selection)により計画・設計などのサービス調達は、価格ではなく品質本位で行うことが義務付けられています。

最も効率的な社会資本整備、ライフサイクルコストの最小化するための、建設コンサルタント選定が、プロポーザル方式の意義と言えるでしょう。