6.建設コンサルタントはつぶれにくい(安全性)

 建設産業は、市場の大縮小による大不況の中、多くの建設コンサルタントもきびしい経営状況にありますが、建設コンサルタントがつぶれた話はあまり聞きません。

 なぜなのでしょうか?

 

 会社がつぶれる場合、赤字だから必ずしもつぶれるわけではなく、最終的には、お金がなくなってつぶれます。

 つまり外部に支払うキャッシュが無くなって、そこで倒産や清算する状況が生まれます。

 数値的に建設コンサルの状況を見てみると

 財務状況から安全性を評価する指標として、自己資本比率、固定比率、流動比率は、以下の値となります。 (h20年 建設コンサルタント協会会員企業平均)

自己資本比率:自己資本/総資本:54% 全体の安定性

流動比率:流動資産/流動負債:185.1% 短期支払い能力

固定比率:固定負債/自己資産:64.9%  固定資産の安定性

 

 財務数値上の安全性は、いずれも良好な値を示しており、建設コンサルタントはつぶれにくいと言えます。

 

 建設コンサルタントがつぶれにくい理由は、財務的な安定性だけでなく、ビジネスの仕組みにもよる部分が大きいと言えます。

 

 コスト構造で見ると、建設コンサルタントは、コストの内、ほとんどが内部費用であり、特に人件費が大部分を占めます。

 売上高の減少に合わせて、給与や賞与を切り下げて行けば、赤字になることは少なく、また、人員の流動性も高く、給与が下がれば、自主退社も多くなり社員数も減ります。

  

 また、外部構造を見ると、技術革新や少なく、競合は国内企業のみであることから、有力な新規参入の脅威にさらされることはなく、建設コンサルタント会社の経営は差がつきにくい状況にあります。

 

 しかし、人件費を切り下げ、人を減らしながら延々と存続するというのは、決してよい形ではありません。しかし、なかなかつぶれにくいのが建設コンサルタントと言えるでしょう。

 ※反面、資本効率が悪く、レバレッジが効かないので儲けることも難しいのです。

 

建設コンサルタント白書によると業者数と社員数の推移は、

 

 協会会員企業数:h10年459社→h15年515社(ピーク)→h20年451社

 協会会員企業社員数:h10年56,023人→h15年56,027人 → h20年46,353人

 建設コンサルタント登録企業数:h10年3,076社→h18年4,214社(ピーク)→h20年4,042社

 

 売上で30%縮小したのに対して、人は20%減少、登録業者数で見るとあまり減っていません。つぶれにくさがうかがえます。

 

 また、不渡り、倒産整理や民事再生といった目立つ形で経営破たんするケースは少なく、自主的な解散・廃業や、外部資本を受け入れ看板は残し存続したりするケースが多いので、業者の縮小が目立たないようです。

 

 商売の苦しさは、需給環境によります。市場縮小に対して業者が減らず供給過剰状態であるのが、現在の建設産業の不況の最大原因です。

 

 建設コンサルタント業界も、業者の淘汰縮小でなく、1社当たりの社員数の減少という形で供給能力が低下し、需給調整がなされている状況になっています。

 非合理な会社がそのまま、存続するという意味で、企業の淘汰構造がないことは、業界の発展の阻害要因と言えるでしょう。

 

Follow me!